額縁百科

PART 1 額縁サイズ表(全6種=5ページ) 

まずは基本中の基本、額縁のサイズから。
ほとんどの方は額縁の外の寸法を測りますが、
あまり意味がありません。入れる紙(作品)を測ってください!

サイズ表・1 デッサン縁(通常の仕様のフレーム)

名称

サイズ

インチ判

254×203

八ツ切

303×242

太子(たいし)

379×288

四ツ切

424×348

大衣(だいころ)

509×394

半切

545×424

三三(さんさん)

606×455

小全紙

660×505

大全紙

727×545

単位はミリメートル(ほぼ裏から測ったガラスのサイズです)

〈名称の由来〉

インチ判 : アメリカサイズ。本国では「8x10(eight by ten = エイトバイテン)」の呼称で広く用いられるサイズです。(1インチ=2.54センチ)。

八ツ切  : ガラスサイズ。100平方フィートのガラスから120枚カットするとこのサイズになります。主に関西方面ですが「八ツ切」ではなく「百廿(百二〇)」等と表示してあったりします。額縁業界ではガラス業界での呼名に従って「八ツ切」と呼ぶようになったようです。ではなぜガラス業界では「百廿」を「八ツ切」と呼ぶようになったかまでは不明。(ご存知の方メール下さい)。

太子 : ガラスサイズ。同じく80枚です。「八〇」(はちじゅうではなくハチマル)と表示されたりします。 なぜ「太子」と呼ぶか?これははっきりしています。 明治45年、天皇崩御により皇太子となった宮裕仁(みちのみやひろひと)殿下は大正5年立太子の礼に臨まれました。それを祝してこのサイズの皇太子の複製画が発行されました。これが「太子判」の始まりです。その皇太子こそ後の昭和天皇ですね。

四ツ切 : ガラスサイズ。由来は八ツ切に同じです。取り数は61枚。ちょっと半端ですね。「ろくいち」とは呼びません。そのかわり(?)「関東四ツ」とか略して「とうよつ」とか呼んだりします。ええ、やはり関西方面のヴェテランの方たちですが・・・。

大衣 : ガラスサイズ。同じく取り数は45枚。普通の人は「だいころ」とは読みません。「おおごろも」とか「だいい」「たいい」とか「だいきぬ」あるいは「おおきぬ」とか・・・。「だいころ」って言うんですよ、と言いますと恥ずかしそうにする方がほとんどですが、なにちっとも恥ずかしくなんかありません。こういう名称を変えられない我々の業界のほうが恥ずかしいと思うのですが・・・。さてその由来ですが、大正時代にドイツから輸入した絵画のサイズの一種です。コロム画と呼ばれて何種類かあったそうです。小さいのは小コロム(小衣)、中ぐらいは中コロム(中衣)、そして大コロム(大衣)です。コロム=衣というわけです。そして現在は「大衣」だけが残っています。額縁業界の歴史を象徴するような呼称と言えるかもしれませんね。やはり残しておくべきでしょうかこの名称・・・。

半切 : 紙サイズ。「八ツ切」「四ツ切」もそうですが、写真サイズにも同様の呼称がありますね。しかし写真サイズとはほとんど関連がありません。新聞紙半分の大きさと言われる方が時々いらっしゃいますがちょっと違います(新聞紙1ページは545x408)。かつて広く使われた尺貫法が当てはまります。一尺八寸x一尺四寸という大きさになります。(一寸=3.03センチ、一尺=30.3センチ)。

三三 : ガラスサイズ。もうお解りですね。このサイズを33枚並べると100平方フィートになります。一梱包33枚入りということです。(重そう・・・!)。

小全紙 : 紙サイズ。表を見ていただけばお分かりのように、三三と全紙のサイズの差がかなり大きくなっています。その間の補完の目的で採用されました。メーカーによってはまったく無視されるサイズでもあり、このサイズの額縁の種類は当社でもあまり多くありません。

大全紙 : 紙サイズ。通常「全紙」とだけ呼ばれます。新聞紙見開き(815x545)より長手が短く、二尺四寸x一尺八寸という大きさです。尚、「半切」「全紙」という呼称で書道用の紙サイズがありますが、まったく異なる大きさです。書道用額縁寸法についてはパート6でご紹介の予定です。

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